変貌する新田原基地

2010年11月 4日 みやざき9条の会 | 意見・感想 | コメント(0) | トラックバック(0)

みやざき九条の会及び宮崎県内の九条の会は、2010年11月20日(土) 講演会『新田原基地と日米安保を考える』を実施します。(宮崎中央公民館3階大研修室、10:00 ~ 12:30、資料代300円)

講師の一人、「さいと・こゆ平和委員会」吉田貴行さんの論説を掲載します。


変貌する新田原基地

さいと・こゆ平和委員会 吉田貴行

1、新田原基地の概要について

 航空自衛隊新田原基地は昭和16年、旧帝国陸軍の飛行場として開設され、落下傘部隊の訓練や特攻基地として使用されました。戦後、昭和32年に航空自衛隊の第3操縦学校分校として出発しました。昭和55年に本土で始めての日米共同訓練が強行され、平成12年まで、毎年のように日米共同訓練が強行されました。平成19年からは在日米軍再編に伴う日米共同訓練が強行され、それと同時に基地の米軍基地化とも言える強化が始まり、現在、既設滑走路の嵩上げ工事、米軍宿舎の建設等が進められています。

2、新田原基地の米軍基地化の実態について

 新田原基地の米軍基地化は平成19年3月に実施された「日米合同調査」から始まりました。また、新田原基地の米軍基地化の「法」的根拠を尋ねると「日米地位協定第2条4項b」との回答が国からありました。新田原基地は毎年のように補修・整備・強化が行われてきましたが、日米合同で調査したことも、日米地位協定第2条4項bで基地強化を実施するのも、50年の新田原基地の歴史の中でも初めてのことです。今年の8月31日~9月1日まで、約35人の米軍が新田原基地での基地強化の進捗状況を点検にきています。

 新田原基地の米軍基地化の内容は、仮滑走路(2700m)の建設、既設滑走路の嵩上げ、米軍宿舎の建設(200人規模)がその主なものです。これには約88億円の国民の税金が在日米軍再編関連予算として支出されます。これ以外に管制塔の立替、サイレンサーの改修が防衛省の予算から約3億円支出されました。

3、普天間基地機能の一部移転について

 平成18年の日米共同声明で、新田原基地は在日米軍再編に係る日米共同訓練を押し付けられました。同時に新田原基地と築城基地(福岡県)で緊急時の訓練を実施することも決められ、両基地の関係自治体の長が容認してしまいました。この「緊急時の訓練」が普天間基地機能の一部移転です。

 平成18年の4月に宮崎県知事の名前で、国に対して質問状を送付し、その回答が6月に、当時の防衛施設庁長官名で届いています。その内容をみると、(1)緊急時の訓練は普天間基地の三つの機能(ヘリコプタへ機能、空中給油機の機能、緊急時の機能)の一つである緊急時の機能を新田原基地と築城基地に移すものであること、(2)緊急時の訓練は年間56日間と決められている日米共同訓練の日数に含まれること、(3)訓練は米軍の単独訓練になる可能性があること、(4)実施時期は普天間基地が辺野古への移転の目途がたった後におこなわれること等が明記されています。

 しかし、昨年の総選挙で政権が交代し、当時の鳩山首相は普天間基地移設は「ゼロペース」で見直すと発言し、迷走を続け、結局、元の辺野古に戻ってしまい、沖縄県民をはじめ多くの国民から痛烈な批判を受けました。新田原基地を抱える新富町では議会の中からも、日米共同訓練も含めて「ゼロベース」で見直してもらおうとの意見も出ています。しかし、民主党政権になって、この問題での正式な説明はなにもありません。

4、日米共同訓練から見えてくるもの

 昭和55年から強行された新田原基地での日米共同訓練は、最初は当時最新鋭のF15戦闘機を導入した関係で米軍の胸を借りて「操縦技量の向上をはかる」目的で開始されました。しかし、日米共同訓練は毎年、激しさを増し、限りなく実践に近い訓練となっていきました。多い日には一日400回を超える離発着が実施され、騒音被害で苦しんでいる基地周辺住民に耐え難い苦痛を与えています。

 また、日米共同訓練を通じて、米軍と自衛隊の一体化が促進されていきました。平成5年には、再発進準備訓練(着陸してきた戦闘機をその場で整備・補給し離陸していく訓練)では自衛隊員が米軍機を米軍が自衛隊機を整備しました。同じ年に強行された築城基地での日米共同訓練では、米軍のF16攻撃機に自衛隊のパイロットが乗り込み、共同訓練が実施されたことが確認されています。

 日米共同訓練では事故も起きていますが、事故原因は相手が米軍ということで、究明されたことはありません。平成8年には米軍のF16攻撃機がパンク事故を起こし、新田原基地が15分間、閉鎖されました。まだ、上空を飛んでいたF16攻撃機は鹿児島空港に緊急着陸をしました。平成9年には米軍のF15戦闘機が離陸のさいにパンク事故で牽引車で格納庫にひかれていきました。また、平成20年には米軍のFA18が燃料漏れ事故を起こしました。

 自衛隊機が事故を起こせば、少なくとも同じ機種の戦闘機は全国一斉に飛行を中止し、点検が実施されます。しかし、米軍機は事故の原因を尋ねても返事が返ってくることはありません。これでは、基地周辺住民の命は守れないと思います。

 日米共同訓練は現在6基地(新田原基地、築城基地、小松基地、百里基地、三沢基地、千歳基地)で実施されていますが、受け入れ条件は基地によって違っています。新田原基地、築城基地は年56日間(8週間)となっていますが、小松基地、百里基地は年4週間となっています。新田原基地、築城基地が日数が多いのは、緊急時の訓練を見据えてのものかもしれません。

5、新田原基地は日本で一番、騒音の激しい航空自衛隊基地

 新田原基地の騒音問題は深刻で、平成9年に激甚地区(13地区)で新富町が実施したアンケートでは、「難聴になった」「騒音でストレスを感じる」と答えた住民が少なからずいました。当時の新富町長は「まことに憂慮すべき事態」と議会で述べています。

 平成19年の各基地の飛行回数を比較してみると新田原基地の飛行回数は築城基地、小松基地、百里基地の二倍以上になっています。ジェット機の騒音は基地周辺住民の健康まで脅かしています。

6、新田原基地の軍事機密について

 新田原基地には「軍事機密」ということで、まだ分からない事が沢山あります。たとえ ば、どんな弾薬がどのくらい備蓄されているのか、また、戦闘機の燃料がどのくらい備蓄されているのか、「軍事機密」ということで地元の新富町にも教えてくれません。

 また、昭和58年から実施されている小規模な日米共同訓練(それぞれの基地から飛び立って、訓練空域で共同訓練を実施し、それぞれの基地に帰っていく訓練)がどの程度の頻度で実施されているのか不明のままです。こうした事も今後の調査の中で解明していきたいと思います。

7、最後に

 「米軍は新田原基地に来るな」の運動を県民の皆さんはもちろん、全国の運動とも連携して発展させていきたいと思います。そのためにも、地元での運動を大きく発展させていきたいと思っています。

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