小森講演の感想
2009年10月 6日 みやざき9条の会 | 意見・感想 | コメント(0) | トラックバック(0)
2009/9/5 小森陽一さん講演会参加者からの感想文を掲載します。
-以下感想文-
小森講演は、小沢、鳩山を中心とする民主党の政治路線が点から線へのつながりで分り易く解説され、私にとっても良い勉強になりました。マニフェスト選挙と「政権交代」のスローガンで圧勝した民主党への期待が国民に幻想を持たせ易い雰囲気を持ち始めている政治状況の時だけに、この忠告は胸に落ちるものがあります。
小沢幹事長は、来年7月の参議院選挙に照準を合わせて、早くも地方組織を含めた選挙指導を開始しました。この参議院選挙で圧勝し、両院単独過半数を確保して民主党本来の政治路線を直接実現するつもりでしょう。これを阻止できるのは憲法9条の平和と国民主権を求める運動しかない、という総括は、闘いの展望も指示していただいたように思います。
私なりに、この講演に付け加えたい2点を申し上げます。
第一は、小沢・鳩山民主党の階級的立場です。中立という立場は、資本家階級の立場に立つ者が自らをカムフラージュするごまかしでしかありませんから、現代資本主義社会では労働者階級と資本家階級の二つしかありません。国民の期待に応えて、民主党が一時的には革新政党の姿勢を示すために打ち出す諸政策は、共産党の総選挙政策と重なる部分が多く、これが実現されれば共産党のお株を奪うことにもなります。しかし、資本家階級(米日独占資本)の要求は、民主党の政策とは反対に、労働政策(雇用・賃金)でも、軍産複合体の軍事政策でも、社会保障政策でも、自民・公明の政策そのままであり、国民向けの民主党の政策を力づくで軌道修正していくことが予想され、この圧力に民主党は抗しきれないでしょう。なぜなら、少なくとも今はまだ表面化していない民主党幹部の資本家階級的立場は変わらないので、いつまでも中立を装い続けることができず、特に参議院選後には、米日独占資本と急速に妥協を重ねることになるからです。
第二は、戦争の経済的階級的性格です。戦争は、各々の国の支配階級が利益追求の為に、弱い環(国や地域)の市場と労働力を従属させるもので、現代は資本家階級の暴力的経済行為です。憲法9条はこの暴力行為に歯止めをかける労働者階級の武器です。第一の問題も、憲法の国民主権と生存権の保障が武器となりますから、その意味でも、来年の参議院選挙に向けての政治闘争は憲法をかけた歴史的な山場になるのではないでしょうか。
(有村 鉄次郎)
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