小森陽一さんの講演を聞いて -湾岸戦争時の戦費拠出を巡って-
2009年10月 5日 みやざき9条の会 | 意見・感想 | コメント(0) | トラックバック(0)
2009/9/5 小森陽一さん講演会参加者からの感想文を掲載します。
-以下感想文-
この頃で最も感銘を受けた講演であった。
多くの記憶を呼び覚まされた話の中で、「自衛のための最小限の実力は戦力ではなく、その集団は軍隊ではない」という解釈に基づく、世界第二の"実力"を備えた自衛隊合憲論、世界中の誰もが信じない暴論を、懐かしくも思いださされた。
一方、私の記憶になく、最も教えられたのは、1991年の湾岸戦争時の戦費拠出を巡っての講話であった。総額900億ドル、日本円で1兆2000億円、日本国民一人当たり一万円に相当する血税を、自衛隊を派遣する代わりに拠出したこと、そのことがアメリカから"show the flag","boots on the ground",「血を流せ」と声高に非難されたことは記憶にあった。しかし、こうしたことが日本政府のもくろみを脱して、期せずして日本国憲法第九条の存在を世界中に認知させる結果になったとは、うかつにも知らなかった。
考えてみれば、理にかなった話なのだが、当時、新聞・テレビなどでこのことが報道されていたのだろうか、私の記憶にはない。
勿論、巨費を出せば済むという話ではなく、いろいろのことを考えさせられる。因みに、「湾岸戦争、憲法九条」をキーワードに検索したら、湾岸戦争の後、アメリカで「憲法九条の会」を作ったオハイオ大學名誉教授のチャールズ・オーバビーさん、その著書「地球憲法第九条」などが表示された。小森さんの講話と関連するのだろうか。
(矢野 勝敏)
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